【歴史探訪】世界最大コレクションを誇る浮世絵美術館 松本市「日本浮世絵博物館」

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日曜日が楽しみだった今回の大河ドラマ「べらぼう」ついに最終回を迎えてしまいました…(TдT)

作家と編集者の関係って、当人たちでなければ伺いしれないものですが、編集者の才能にスポットを当てるって面白い試みで感心してしまいました。

こちらの博物館も存在は知っていたものの、訪れたことがなかったので、大河の盛り上がりの勢いがあるこの機会に見学することに。

ちなみにミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで星2つ…らしい。

個人所有の江戸時代後期の浮世絵コレクション

信州松本で有数の豪商である「酒井家」が長年集めたコレクションが10万点にものぼるそうで、その十代目がこの博物館を設立したそう。

個人のコレクションで美術館が開けるとは。やっぱりオタクは世界を救います。

そのコレクションを使って、作家別だったり、テーマ別だったりと、様々な括りで期間限定の展示をしています。

今回は東海道五十三次の風景がと名品を、前期と後期で展示を入れ替えながら開催していました。

ちなみに展示物の撮影はOK!とのことで太っ腹。動画撮影はNGだそうです。

展示室はこのような感じで、時代やテーマ、手法などに焦点を当てた構成になっています。私が訪れた時は、後期の展示となります。

今でも新幹線で2時間くらいの距離ですが、この距離を歩いて旅するとは。

気が遠くなりそうな時間がかかりそうですが、その風景を浮世絵に表現されていて、時には「ガイドブック」として、時には「時事ネタ」として、時には「季節の移ろいの表現」だったりと、この時代に浮世絵が担ってきたことが凝縮されているような展示でした。

展示物を一部紹介します

蔦重で見ていた、版画で印刷された江戸時代の本の展示も。本物はこれかぁ~と、何気に感慨深い。

今回の展示は「歌川広重」が書いたものがメインで、それ以前に書かれた葛飾北斎の浮世絵はガラスケースに「それ以前の東海道五十三次」として紹介されていました。

それにしても、北斎がクッキーさんとは…意外なキャスティングでぶっ飛びましたな(^_^;)明るくないのですが、ファンは腑に落ちる部分があったのかな。

「東海道五十三次」といったらこれ!という展示は「蒲原 夜の雪」がありました。ここは、静岡なんですよね。

温暖な気候に思える土地ですが、あえての雪景色だそう。墨絵でしんしんと積もる雪を表現しています。

そして、ここからは、個人的に印象に残った展示を紹介していきます。

旅の風景をデフォルメ


縁からはみ出すことで富士山の雄大さを表現

超えるのがとにかく大変そうな箱根峠

伊勢湾の蜃気楼の表現。逆に新しい。

那智滝は和歌山県にあり、日本三名瀑の一つ

旅の途中で見かける人々


旅人たちは雨具を着用し大きな傘や蓑で身を守りながら小川をわたる

激しい風雨の中、人々が急いでいる様子。広重の代表作。

宿屋の違い


金払いの良い商人の宿屋は綺麗

一般客の宿屋はボロくて食べ物は持ち込み

背景は丸パクリ


池鯉鮒宿で、毎年旧暦の4月末から5月初めにかけて開催されていた馬市

背景はまるっとそのまま頂く構図もOK!

風景画と役者絵という浮世絵の二大ジャンルを組み合わせ


歌舞伎役者の大判錦絵

歌川国芳、歌川広重、三代歌川豊国による競作

今で言うコラージュと悪ふざけ


様々な表現方法の模索

タコが旅する東海道五十三次
デフォルメした風景描写や、旅の途中で出会う人々の仕草に始まり、コラージュや人の擬態など表現方法の模索など、試行錯誤している様が大変興味深く面白く見続けることが出来ます。

歌舞伎の「忠臣蔵」の展示がありました

蔦重には欠かせない「喜多川歌麿」の作品も今回の展示ではひとつだけ。

画像をググったら、AIでも出てこない情報がこの博物館にありました。

「忠臣蔵 初段」喜多川歌麿 寛政10~11年(1798-99)頃

塩冶判官の妻顔世に横恋慕し、恋文を渡そうとする高師直。困惑する顔世を、その場に居合わせた桃井若狭之助が助ける。邪魔をされ立腹した師直が桃井を罵ることから物語は始まる。

ガラスケースに入っているので、反射でこちらの顔が写ってしまうため、それを削除する処理をすると画像が荒くなってしまうのですが、本物は髪の毛を1本1本書いているかのごとく、とにかく繊細な筆使いが伺えます。

虫眼鏡の貸し出しもあるほどで、歌麿呂がいかに巧みな画家であったかが伺えます。そして、この絵を掘る彫師のすごさも。

日本人は手先が器用といいますが、それでも、常軌を逸した作業だったことが容易に想像できますし、絵師としての成功もこの技巧によるものだと実感できる浮世絵です。

ペンで書くのも大変なのに、筆って…筆って…筆って…。

忠臣蔵の象徴となる切腹シーンも。

「忠雄義臣録 第四」歌川国貞(三代豊国)弘化4~嘉永5年(1847~52)

前掲図からの続き。塩冶判官は切腹を命じられ、国許から家老の大星由良之助らが駆けつける。本図は屋敷を境に画面を区切り、判官切腹の場面と閉門した屋敷前に集まる家臣たちを一つの画面に描く。

彫師と摺師の道具の展示も

道具の展示もあり、前述した彫師のすごさも肉眼で確認できます。

それから、入口にスタンプがあり、簡易浮世絵摺りが体験できます。

ペッタンペッタン、順番に色違いのスタンプを重ねていきます。

3種類の浮世絵スタンプ。お子様連れの方や、スタンプラリー好きな人にも。

常に映像が流れているエリアでは、摺りと彫りの工程を見ることが出来ます。

平日だったため、あまり人がいませんでしたが、観光客の外人カップルが見ていました。

まとめ

大河ドラマで再度注目を浴びる浮世絵。

歌麿呂の作品は蔦屋のものでは有りませんでしたが、蔦屋のマークや、鶴屋の表記もあり、浮世絵は絵師だけのものではなく、彫師、摺師、本屋(編集者)、様々な人達の技と知恵で出来上がっているのだと、知識が深まりました。

ぜひ併設されているミュージアムショップを訪れてほしいです。

ショップのレプリカ版画がなかなかすごくて、こちらには「ビードロを吹く女」は、蔦重がこだわっていた「雲母摺り」が再現されているようで、キラキラな背景から浮世絵の女性が浮き上がってくるようでした。

版画摺りだそうで、こちらもぜひ一見の価値があります。

 

最後に、「べらぼう」でもよく出てくる江戸の笑い話も浮世絵で表現されたものもありました。

江戸時代はこういうので腹を抱えて笑っていたのだろうかと思うと、今とは笑いの感性の違いも感じますが…(^_^;)

河鍋暁斎・晴湖・孟斎 書画五拾三駅 駿河鞠子 宿場/狂戯 明治5年(1872)

『東海道中膝栗毛』に取材。鞠子宿の茶屋で名物のとろろ汁を頼んだ弥次郎兵衛と喜多八であったが、亭主と妻が喧嘩を始める。夫婦はこぼしたとろろに足を滑らせながらも喧嘩を続け、弥次郎兵衛と喜多八は食事を諦め、茶屋を去るのであった。

本図ではとろろを浴びながらも喧嘩する夫婦を、弥次郎兵衛と喜多八が仲裁しているらしい。

それでも絵の勢いはやたらにすごくて、なんかくすっと笑える悪ふざけは、本屋の飯の種だったのでしょうね。

海外の画家たちに多大な影響を与えた浮世絵ですが、やっぱり「アニメ」のルーツとも思えますし、クールジャパンの元祖と言えそうです。

東京に戻ったら、いろんな絵師たちの浮世絵美術館も訪れてみよう。

電線が邪魔ですが、外に出ると墨絵のグラデーションで描写したいアルプス山脈が広がります。

蔦重にハマった方は、ぜひ一度訪れてみると良い素晴らしい美術館です。そしてこれが個人のコレクションだということも凄さのひとつです。

 

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現地へのアクセス

日本浮世絵博物館公式HP

江戸時代後期の浮世絵コレクションでは世界最大の美術館である日本浮世絵博物館は、長野県松本の酒井家の浮世絵コレクションをも…